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Que sera, sera

お仕事の中身

お仕事の中身

「在宅で翻訳やってるんです」っていうと、たいていの人は
「なんか、かっこいいね~」とおっしゃってくださいます。
しかし・・・中身は大変な重労働。体力と気力の勝負。
私自身、本格的に仕事を引き受けるようになるまで、そんな世界だとは
思ってもいませんでした。

私の仕事は、翻訳の中でも「実務翻訳」に分類される分野です。

翻訳というお仕事には、大きく分けて
・出版翻訳(書籍、雑誌の翻訳)
・映像翻訳(外国の映画やTVドラマ、番組などのシナリオ翻訳)
・実務翻訳(産業上必要な文書の翻訳)
...etc
という分野があって、
さらに、各分野ごとに専門知識が必要となります。

で、多分、翻訳一本で稼いでいる方は、よほどの実力者でない限り、
実務翻訳に携わっているものと思われます。というのも、仕事の量が桁違いに
多いからです。

さらに、実務翻訳といっても、その中でさらに産業ごとに専門が分かれていて、
金融・経済関係、IT関係、医療関係、工業全般・・・と、とにかくいろいろ。そして、各専門で必要な知識がまるきり異なります。

実務翻訳者には「英語が好きで翻訳の世界に入った」という、どちらかというと文系出身の方と、
「専門知識を生かしたい」という、どちらかというと理系出身の方
(経済・金融関係など、文系に分類される方もいらっしゃいますが)
がいます。

私は理系出身の人間で、医学翻訳を目指して勉強していたのですが、
偶然が重なって「特許翻訳」という分野に足を踏み入れることとなり
その中でも現在は「バイオ・化学」関係の比重が非常に高くなってます。
世の中、猫も杓子もバイオ、バイオ。だけど比較的新興の分野なので
人材不足のようです。だから、仕事の量も半端じゃない・・・。

翻訳者なんだから、何でも翻訳できるでしょ、と、一般の方々(下手をすると
翻訳会社も)
は思っておられるようですが、
分野がちょっとでも違うと、日本語で書かれていてもまるきり異国の世界。
専門用語が全然違うのです(化学とバイオでさえ、同じ言葉に異なる訳語を当てます)。
必要な知識も違えば、辞書も、用語を調べる手法も異なります。
しかも、専門家というのは、そういう「コトバの違い」に非常に敏感で、
ちょっとの違いで「あ、これは素人が訳したでしょ」ってばれてしまうのです。

大量の仕事の上に、たえず勉強。
特許出願はしめ切りに遅れたらえらいこと(=訴訟問題)になるので、
しめ切りだけは厳守しなければなりません。
さらに「読者の感想」なんていう見返りもなければ(誤訳で出願文書の訂正を
求められることはあるが・・・)、
作業自体も孤独。

私のような半分素人な人間にお仕事が回ってくるというだけで、
本当は感謝しなければならないのかもしれません。
しかし、実感としては、

こんな世界に、足、踏み入れちまったよ・・・

ってな感じです。
(あ、罰当たりなこと言って!!)


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